猫を家族に迎え共に室内で生活をする中で、忘れてはいけないことは猫と人間とで共有する病気があるという事です。
可愛いペットは家族同然とは言われますが病気に関しては十分な衛生管理が必要です。
日常生活で注意が必要な人畜共通感染症についてご説明させていただきます。
単なるひっかき傷では済まされない「猫ひっかき病」
猫と遊んでいたり、猫のお手入れをしたりという時、不意にひっかき傷を負う事があります。この時単なるひっかき傷、数日で治るとつい軽く考えがちですが実は危険な病気に発展することもあります。
猫の爪は先端が細く尖り、人間の皮膚に細く深い傷を残します。猫の爪には様々な雑菌が付着しているのでひっかき傷から雑菌が侵入することもあれば、日常生活の中で傷口に雑菌が感染することもあります。
このような傷口から雑菌が侵入すると3日~数週間で感染部位が腫れ上がったり、リンパ節などが腫れることがあります。
傷を負ってから日数が経つことで猫との関係性をつい忘れてしまいがちですが実は大変危険な症状です。他にも痛みや高熱、倦怠感、湿疹ができるなどの症状も見られます。
この病気は悪化すると想像以上に深刻になるので、傷を負った場合すぐに患部を流水で洗い流し、消毒を済ませましょう。患部を保護し清潔に保つためにガーゼなどで保護することも効果的です。
また患部が深い、出血をしている場合は病院を受診し破傷風の予防注射を受けることも効果的です。
この病気はトリマーや動物看護士など日ごろ猫と接することの多い職業の方でも過信は危険です。いつもの事だと過信してしまうと時には深刻な症状が現れることもあるので常に最新の注意を払わなければなりません。
便から感染が拡大する「寄生虫」
猫の便には様々な寄生虫がいます。猫自身に症状が現れ無い場合でも乳幼児や高齢者に深刻な症状が現れることもあります。
猫の寄生虫は糞の誤った片付け方が原因で蔓延をすることがあります。糞は見つけ次第すぐに片付けましょう。片づける時は専用のスコップやごみ袋を用い密閉した状態で破棄します。
トイレトレーも頻繁に水洗いしてトレーに糞が付着したままにならないよう注意しましょう。
特に保護猫や野良猫、子猫は寄生虫のリスクが高いので家族に迎えた直後に検便を受け、駆虫を施しておくと安心です。
室内飼育でもノミダニの感染には要注意
猫を完全室内飼育にすることは今や当たり前とされています。しかし室内飼育だからといって病気と無縁という事ではありません。たとえ室内飼育であっても間接的に病気やノミダニの危険にさらされることがあります。
ノミダニは室内に侵入するとカーペットや繊維質など猫以外の物を媒介して人間にも寄生します。人間には強いかゆみ、アレルギー、湿疹などの症状を引き起こします。
このノミダニを室内から完全に駆除するには相当な手間がかかり場合によっては、寝具やカーペットの買い替えが必要になることもあります。
毎年定期的にノミダニ駆除薬の処方を動物病院で受け、家族への寄生を完全にシャットアウトしましょう。
他にも猫と人間とでは共有する危険性のある病気が多々あります。
大切な家族とはいえ過剰なスキンシップは避けましょう。