オス猫に多く発症する病気と言えば尿路疾患です。尿道に結石が出来たり、腎臓機能が低下したりと日々の排尿に痛みを伴う事もあり深刻な病気です。
発症した場合は投薬と飲水量を増やす方法が効果的ですが、なかなか猫に飲水を強要することは難しい問題です。猫に自発的に飲水を促す方法をご紹介させていただきます。
動物病院療法食を利用する
猫の飲水量を増やす最も簡単な方法は動物病院で処方される病気治療用特別食を活用する方法です。療法食は病気の症状別に様々な種類が発売されています。尿道関連の病気には通常の食事に比べ多くの塩分が配合されています。そのため猫はこの療法食を食べることで自然と喉の渇きを覚え、自ら水を飲むようになります。
尿道結石の治療には飲水量を増やすことで排尿量を増やし、尿道内の結石を初期の段階では排泄させる方法が最も効果的です。
結石が初期の場合、排尿と同時に排泄することが出来ますが、排尿できずに尿道内にとどまってしまった場合次第に結石は肥大化し尿道内部を傷つけ、排尿の度に痛みを伴います。この状態にまで悪化すると薬を常用し結石を分解したり、開腹手術を行い結石を取り出すこともあり治療法も複雑化します。
ただ塩分の多い療法食を与えることがは飲水量を増やすという観点からは非常に効果的ですが、腎臓への負担や高血圧、心臓への負担を考えた場合必ずしもベストな方法とは言えません。
そのため与える場合は必ず獣医師の指示に従い、給与量、期間を決めましょう。インターネットで療法食を購入し誤った与え方をした事で別の病気を発症する危険性があることはしっかりと認識しておきましょう。
日々の食事をスープ状にアレンジする
猫は本来さほど多くの水を飲む動物ではありません。そのため病気治療のためとはいえ飲水量を増やすことはたやすくはありません。尿路疾患や腎臓疾患といった病気の発症前、予備軍の段階ではまだ療法食を与えることは危険なことです。
そのような場合、スムーズに飲水量を増やすには日々の食事をふやかし与える、スープをかけて与えるという方法がおすすめです。
猫は舌をスプーン状に使い食事をするので、食事がスープ状であればえり好みすることなくスープごと完食してくれます。
この方法であれば病気予備軍として発症予防の対策を講じることが出来ます。
もちろん摂取水分量が増えるという事は、排尿量も増えるという事なので、トイレの砂交換はこれまでよりこまめに行うよう心掛けてあげましょう。
電動水流発生機能付き給水器を使用する
猫に留守番をさせているとき、サークルに入れているときなどなかなか猫の様子を確認したり、日々の飲水量を把握することは難しいものです。
そのようなご家庭では電動機能で水流を起こすことの出来る給水器がおすすめです。この製品は電動で水流を起こし、フィルターでろ過を繰り返すことで常に清潔な水を汲みおくことが出来ます。その上、水流は猫の好奇心を刺激し猫に飲水を促す効果もあります。猫は水にゴミが浮かんでいたり、ただの汲み置きの水を好まないことがあるのでこのような製品を活用すれば、留守番中も安心して猫の吸水対策を講じることが出来ます。特に多頭飼いの場合など汲み置きの器にゴミが入ってしまいがちな場合はこのような製品がおすすめです。