いつもクールな表情でどこか周りに無関心な雰囲気を漂わせている猫ですが、実はその本心は行動によって多彩に表現されています。猫の行動が意味する本心を理解すると隠された猫の性格を知ることが出来、猫との距離感がぐっと縮まったと感じることでしょう。
ここでは日常生活によくみられる猫の行動とその本心をご説明させていただきます。
コンパクトな香箱座りはリラックスのサイン
猫が両前足を折りたたみ、胸の下にしまうように座り込む姿勢には正式な名称があり香箱座りと呼ばれています。この座り方は猫科の動物の中でも猫にしかできない特徴的な座りかたです。
一昔前の猫のイメージと言えばこの香箱座りで縁側やこたつの上に座る姿がよく描かれていました。
実はこの座り方には猫の本心が隠されています。猫がこの座り方をしているときは多いにリラックスをしていて、まるで警戒心がなく、心を許しているというサインです。
なぜなら香箱座りの体勢からはたとえ俊敏な動きが得意な猫であっても即座に立ち上がることが出来ないからです。即座に立ち上がる必要性がまるでないと猫が判断をして気を許しているからこそこの座り方で過ごせるのです。
中には飼い主のパソコンのキーボードの上やテレビ台の上、布団で横になっている飼い主の胸の上でこの座り方をする猫もいます。そのような時は猫が最大限心を許している証だと理解してあげましょう。
なぜか全力で邪魔をするのはやきもちのサイン
飼い主が読書をしているときは本の上に、新聞を読んでいれば新聞の上に、パソコンを操作していればキーボードの上に猫が座りこんでしまう事があります。抱き上げ下してもすぐにまた元の行動を繰り返し、あまりに執拗な妨害にい時にはあきれ果てることもあるでしょう。
実はこの行動は猫が相手に構って欲しい、注目をして欲しい、遊んで欲しいとアピールをしているからです。
相手が何かに夢中になっていることは猫でも十分理解できます。その点を理解したうえであえて妨害をすることで自身に関心を向けてもらいたいというアピールです。
これは生後間もない子猫同士が遊ぶ時にもよく見られる行動で、あえて相手の行動を妨害することで遊びに誘います。
ただこのような場面では猫には決して悪意がない事も理解してあげる必要があります。猫はただ単に飼い主の関心を引きたいとしか考えていないので、厳しく叱る、サークルに入れる、驚かすなどの対処は控えてあげましょう。
ほんの一瞬でも手を止め猫を撫でてあげる、遊んであげるだけで猫は十分に満足するものです。いつまでも長い間飼い主を独占しようとは猫は考えないので、ほんの数分だけお付き合いをして欲しいだけです。
両手で手もみをする仕草は母猫への甘えのサイン
猫が不意に中腰になり両前あしを交互に踏み出しマッサージのような行動を見せることがあります。実はこの行動は母猫の母乳を飲むときに行う行動です。大抵の場合、離乳と共にこの行動は見られなくなりますが中には成長後も不意にこの行動を見せることがあります。
例えば飼い主の布団で一緒に寝ている時や飼い主に抱っこされているとき、リラックスして飼い主と遊んでいるときなどです。この行動は最大限の甘えのサインなのでおおらかに受け入れてあげましょう。